〇ライモンシティ観覧車の思い出~はじまりの春
「わあ・・・やっぱ高いなあ・・・ あ・・・怖くなってきたかも・・・」
「・・・・・・」
「うう・・・揺れるよお・・・ 怖いよお 高いよお・・・」
「・・・・・・」
「あ ダメ・・・もう限界・・・ こっち・・・そばにきて・・・ね?」
「大丈夫だよミハルちゃん!ボクがついてるから、ね!」
「うぅ~カナイ君・・・!(ぎゅっ」
「えへへへへ(デレデレ」
「よくも、飽きもせず・・・この色ボケ蛇め」
〇ライモンシティ、観覧車の怪~ひと夏の経験~
「全く、毎度毎度わざわざ戻ってこさせるとは、な・・・」
「だってミハルちゃんとまた観覧車に乗るって約束したじゃん」
「・・・・・・」
「何さぁ、ロッカイだって経験値稼ぎできるんだからいいじゃん~」
「・・・まぁ、小金稼ぎにはなるが、な」
「観覧車到着~・・・って、アレ?ミハルちゃんがいない・・・」
「・・・山男なら、いるぞ」
「え~なんで~!ちょっとロッカイ!そのおっさんにボクのミハルちゃんをどこにやったか聞いてよ!」
「・・・仕方がない、な・・・」
「いやぁ!そこの少年!まいにちムシムシと暑いな!」
「・・・少し、聞きたいことがあるんだが」
「こんなイケない夏を満喫しないわけにいかないよ!な?」
「いや、俺は・・・」
「そこでだ!ボクと一緒に観覧車につきあわないか!もちろんタダでとはいわんぞ!ボクの自慢のポケモンで少年をもんであげよう!」
「・・・叶」
「勝てたらミハルちゃんのこと教えてもらえるんじゃない?」
「・・・バトルなら、受けねばならん、な」
「そうかァ!少年!キミは見所 アリ だな!さあ早速あいさつ代わりにイッパツ勝負といこうか!」
「・・・どうも、言葉の端々が気になるのは俺の気のせい・・・か?」
「さぁー?」
「いやあよかったよ!少年!キミもキミのポケモンも立派!結構!タマランよ!」
「・・・・・・」
「さあて・・・二人の身体も心も必要以上に温まったところで・・・観覧車に突入だ!」
「いや、俺は聞きたいことがあるだけで、別に観覧車は・・・」
「さあついて来い少年!」
「!?(ぐいっ」
「オオウ・・・ムシムシとして・・・ まるでサウナのようだな 少年!」
「ロッカイってさぁ、普段アレなのにこういう時だけ押しに弱いよね」
「・・・黙れ叶」
「結局ミハルちゃんのこと聞けてないしさー。なんでこんなおっさんと一緒に観覧車乗らなきゃなんないのさ」
「黙れ叶・・・」
「アアア 熱いなァ・・・ 少年の肌を汗が伝っているぞ・・・」
「!?(ざっ←血の気の引いた音」
「Σなんか言ってるー!」
「ところでだ・・・ 少年・・・ 恋人とか、いないのか?」
「・・・いいか、叶・・・万に一つ、何かが起きそうになった時には・・・わかっているな」
「・・・でもロッカイ、人間に攻撃しちゃってもいいの?」
「正当防衛は犯罪にはならん。・・・問題ない」
「ロッカイ顔がマジ過ぎだよ怖いよ」
「とりあえずロッカイ、何事もなく地上についてよかったね」
「・・・・・・」
「まあ、おっさんずっとロッカイのことガン見してたけどね」
「・・・・・・」
「さっきから一心不乱に自動販売機のボタン押し続けてるけど、もしかして怖かったの?」
「黙れ叶・・・!」
「どうでもいいけどさー、もうその自販機、ジュース詰まって取り出せないんじゃない?」
〇ライモンシティ観覧車の憂鬱~秋めいて
「性懲りもなく、また来たか・・・」
「なんだよぅ~もしかしたら今日こそミハルちゃんがいるかも知れないじゃん!」
「・・・もしも、まだあの山男がいたらどうする」
「すっかりトラウマ化してんだね。まあすっかり涼しくなってきたし、あのおっさんも夏と共にどっか行ったんじゃない?『エンジョイが足りないならまたボクとキミと観覧車でひと夏の経験をしないか!(どやっ』なーんちゃって」
「・・・やめろ、叶」
「ちょ、いたたたた頭ギチギチしないでよ!」
「おー観覧車見えてきた!あ、あれ、立ってるの女の人じゃない」
「・・・・・・」
「・・・なんで今さりげなくガッツポーズ作ったの」
「・・・別に、深い意味はない」
「おねーさん、物憂げなOL、おねーさん・・・」
「・・・ミハルはどうした」
「勿論ミハルちゃんがいたら嬉しいよ~?でも、これとそれは別問題(キリッ」
「・・・・・・」
「わかんないかなぁ、どうせぎゅっとされるなら硬い男の胸板より、女の人のほうが柔らかいし優しいしいいの!」
(・・・どこで育て方を間違えたかと思ったが・・・元々こんなのだったな)
「ちょっとロッカイ聞いてるの!?」
〇観覧車と蛇~冬でも燃える嫉妬の焔
「ねーねーおにいちゃん!おひざのうえのっても いーい?」
「(ジェラッ)ちょっと、ロッカイの膝はボク専用なんだから勝手なこと言わないでよ!・・・って、この子に伝えて」
「言うか。・・・そもそも、いつからそうなった」
「どーしたの?おにいちゃん」
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