観覧車物語外伝
夏、そして
ここまでのあらすじ
山男への恐怖心から自販機のボタンを押し続けた六界は、自販機を詰まらせた。
がこっがこっ
「あーあ、だからボク言ったのにー」
「黙れ、叶・・・」
「ねー係の人呼んで来ようよー」
「・・・・・・」
がこっがこっ
「あれ、六界さん・・・？」
「・・・・・・（面倒な奴に会った、という顔」
「あーやこちゃんと秋穂！」
「何をしてるの・・・？」
「・・・別に、何でもない」
がこっがこっ
「ねぇ、かなちゃん（ちょいちょい」
「なぁにー？やこちゃん」
「六界さん機嫌悪いみたいだけど、何かあったの・・・？」
「うーんとねー、そんな大した事じゃないんだけどぉー」
「うん」
「観覧車の前の山男にちょっと話を聞こうとしたらー『イケない夏を満喫』するにはって『あいさつ代わりにイッパツ』ってバトル挑まれてー、そしたら『ご立派！結構！タマランよ！』って誉められて半ば無理やりムシムシとした夏の観覧車に連れ込まれてー、この暑いのにわざわざおかしいよなって思ったんだけどぉー、そしたらおっさん『少年の肌を汗が伝ったいるぞ・・・』ってぎらぎらした目で舐め回すようにガン見してきて恋人いるかと聞かれたけど、それが怖かったみたい」
「・・・・・・・・・・」
「・・・（がしっ」
「!?」
「六界さん大丈夫・・・!?」
「叶！余計な事を・・・！」
「えーボクホントのことしか言ってないよー？」
「何もされてない!?」
「・・・別に、何があったわけでは」
「本当！？本当に！？」
「まあ、実際に掘られたわけじゃないからなんてことないんだけどねー」
「だ ま れ カ ナ イ!!」
「・・・・・・かなちゃん・・・その山男、どこにいるの・・・？」
「えー、アッチぃー」
「そう・・・（ふらっ」
「やこ、どうしたの・・・？」
「・・・・・・（すたすた」
目が本気過ぎる件
「・・・待て、やこ、何処へ行くつもりだ」
「・・・・・・（だっ」
「待てやこっ！」
「Σいつものやこちゃんじゃない！」
とりあえず捕獲
「止まれやこっ・・・！」
「・・・・・・（それでも行こうとする」
「そっちを抑えろ暁穂！」
「Σえぇっ、あっ、はいっっ！」
「手伝え叶！」
「ええぇーボクもー？」
三人掛かりで街の喫茶店まで運びました。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「うっわー・・・無駄に重い雰囲気だね」
「うん・・・」
「・・・やこ」
「・・・・・・」
「・・・あのまま止めなかったら、どうするつもりだった・・・？」
「・・・・・・」
「山男のおっさんが血祭りだったよねー」
「黙れ叶。・・・お前も・・・何のつもりだ、やこ」
「・・・六界さん、鈍ちんだから・・・、今回も核心に触れるまで気づかないでほいほい付いて行ったんでしょ・・・？」
「・・・・・・」
「うわーやこちゃんエスパーみたいー」
「かなちゃんちょっと黙ってて」
「ちぇー」
「・・・別に、だからといってお前が行く必要は・・・」
「だって心配なんだから！今回は何事もなかったから良いようなものだけど、何かあってからじゃ遅いんだよ!?」
「そんな特殊嗜好の人間が何人もいてたまるか！」
「・・・・・・あこや君とか」
「Σ・・・！」
「後、最近はそうでもないけど、やととか・・・」
「いや、やとは・・・」
「やとの場合はそういうのじゃないけど、尊敬も度が過ぎるとね・・・」
「・・・・・・」
「あとは、みやさんとかなごさんとか・・・」
「ちょっと待て、何故雅や朱鷺田の名が挙がる・・・？」
「本人達はその気なくても、たまに端から見て雰囲気怪しいもの・・・」
「・・・・・・」
「・・・まぁ、とりあえず気をつけてよね・・・」
「・・・・・・」
「言われちゃったね、ロッカイ」
「黙れ叶・・・！」
[2回]
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