叶「ね~ね~なんでわざわざ寒いのに外行くの?お日様なんて毎日昇るじゃん」
尋「うっせぇな、今日のは特別なんだよ!」
春「なんてたって初日の出だからな。晴れてよかったよ」
鵬「天河と魅糸・・・本当に寝なくて大丈夫かよ?」
天「・・・だい、じょうぶだ・・・問題・・・ない・・・(かくっ」
魅「先輩と一緒に・・・見る・・・です・・・」
乙「てこなも眠いんのではないか?」
て「だ、大丈夫だもん!いっつー子ども扱いしないでよ!」
乃「青燈はもう眠ってしまったのですな・・・。ふむん、残念ですなぁ」
秋「それじゃ、行ってきますね」
雅「写真撮ってきます!」
六「鍵、頼む」
ほ「はいはいいってらっしゃい」
ほ「嵐の後の静けさ、って奴カネ・・・。まァ、すぐ戻ってくるだろうケド」
勇「・・・先輩」
ほ「あれ?勇礼、みんなとは一緒に行かなかったの?」
勇「・・・先輩は行かないんすか・・・?」
ほ「あー・・・」
勇「・・・?」
ほ「もしかして、おいらが残ったから勇礼も行かなかったの?」
勇「・・・まぁ」
ほ「ははァ、後輩ってのも悪くないかもネ。・・・勇礼。どうせならもっと良い場所に連れて行ってあげようか」
勇「へ・・・?」
叶「暗いー寒いー寒いー。ねえ、まだ歩くのー?」
尋「うだぐだ言うなっての!ちょっとくらいの寒さがなんだ、だらしねぇな」
春「まあ、草タイプとしては結構堪えるんだがな・・・秋菊の隣だと多少マシだぞ、叶」
叶「あ、ほんとだー」
秋「ちょっとぉ、私は携帯懐炉じゃありませんよ」
て「よりちゃんしっかり!寝たら死ぬよ!」
魅「し、死んじゃうですか!?が・・・頑張る、です!」
鵬「真に受けるなって魅糸」
乙「何か・・・微笑ましいであるな・・・」
秋「完全に親戚のおじちゃんの顔ですね・・・。なんならお年玉でも配ったらどうですか?私含めて」
乙「どうして秋菊にまで配らなきゃいけないであるか・・・」
春「貴様がなぁ達にあげれば良いだろう、秋菊」
秋「はぁ?どうして私がガキどもに金銭ばら巻かなきゃいけないんですか?」
乙・春「「・・・・・・・・・」」
雅「六界さん・・・天河君が・・・」
天「俺は・・・まだ・・・寝てない・・・」
六「・・・無理は、するなよ・・・」
乃「まあ、万一の時には私が背負いますから」
六「ああ、頼む」
雅「・・・・・・(ニヤニヤ」
六「・・・何か可笑しいか、雅」
雅「いやー、六界さんも変ったなぁーと思って」
六「・・・・・・」
雅「だって、前は『頼む』なんてそうそう出てくる言葉じゃなかったから。なんでも一人でやろうとして、背負い込んで、って六界さんの悪い癖だったじゃないですか」
六「・・・・・・」
雅「これが旅の成果なら、ぼくたちとしても送り出した甲斐があるってもんですよ」
六「・・・お前には感謝している・・・雅」
雅「え?」
六「・・・誰かに頼るというのは、自分で考えているほど難しいことじゃない・・・と思えたのは、多分、お前のおかげだから、な」
雅「・・・今となってはもうちょっと独り占めにしたかったような気はするんですけどね・・・って言ったら、呆れますか?」
六「・・・どうだろうな」
勇「先輩、まだ掛かるんすか・・・?」
ほ「・・・いや、もうちょい、カナー・・・」
勇「明かり、持ちますか・・・?」
ほ「いやいやいや!!後輩にそんな滅相も無いコトさせられないですヨ!?」
勇「・・・・・・(外に出てから妙にテンパってるなぁ」
ほ「まァ、ほんとにもうちょいの辛抱・・・だから、ネ・・・」
勇「・・・・・・?」
ほ「っと、着いたヨ。この上だ」
勇「・・・木、すか」
ほ「ここいらでいっとうでかい木サ」
勇「へぇ・・・結構高さあるっすね・・・」
ほ「他の人にゃ内緒の、秘密の場所・・・って言っても、どうせ飛べでもしなきゃ無意味だけどネ。皆が行った所よか、ずっと良く見えると思うヨ」
勇「・・・秘密の場所?」
ほ「そ、秘密。いい響きじゃない?」
勇「・・・そんな場所、昨日今日会ったばっかの俺に教えていいんすか?秘密ってそんな薄っぺらいものじゃないでしょ・・・?」
ほ「ははっ、野暮なこと言いなさんな。秘密ってのは他の誰かと共有してからが本番なのサ」
勇「・・・共有?」
ほ「そう。共有」
勇「・・・確かに、悪くないっすね」
ほ「そう言って貰えると嬉しいヨ。さ、日が出る前に上がってしまわないと」
勇「あっという間っすよ」
ほ「そいつァ頼もしい言葉だ」
叶「あ~見て見て!お日様昇ってきたよ」
尋「た~まや~」
雅「か~ぎや~!」
叶「何ソレ!なんかの呪文?」
尋「お天道さんがもっと綺麗に見えるお呪いだぜ!」
叶「凄い凄い!ボクもボクも!!」
春「・・・違うだろ、それ」
秋「まあ、本人達が良ければ良いんじゃないですか」
乙「いやぁ、これを見ると本当に新年が来たって感じであるなぁ」
乃「実に素晴らしいものですなぁ」
鵬「ほら、天河。日の出。頑張った甲斐あったな」
天「ああ、本当だ!凄いな・・・!」
魅「てこな先輩!私、感激です!」
て「えへへーよりちゃんに喜んで貰えたらあたしも嬉しいよぉー」
六「・・・また」
尋「ん?」
六「・・・また、一年が始まるんだと思って、な」
尋「一年なんてあっという間だからな、こういうの、コーインヤノゴトシっていうんだろ?」
六「・・・酷い発音だが、間違ってはいない」
尋「へっ、そう褒めんなって」
六「・・・褒めてはいない」
ほ「たっだいまー」
秋「ほると!今まで何処に行ってたんですか!」
ほ「おわっ!秋菊サンいきなり何サ」
秋「だって家に居たと思ったら居ないし、ていうかそもそも暗い中で外に出て大丈夫なんですか!?確かに暗所恐怖症なんて設定今までそう活きてませんでしたが!」
ほ「随分とメタ的なコト言うネ・・・」
勇「・・・先輩、暗いところ、駄目なんすか?」
ほ「あー、まァ、ネ・・・」
勇「じゃあ、なんで・・・。・・・もしかして、俺の女嫌いも気合で何とかなるとか言いたいんすか・・・?」
ほ「んな野暮なことに体張るカネ。もっと単純なことサ。おいらだってちょっとくらい先輩ヅラしてみたかったの」
勇「・・・先輩」
ほ「ん?」
勇「正直先輩のこと、顔ガキみたいだし俺より背低くてあんまり風格とか無いし、ノリ軽いし昼行灯みたいで何考えてるのかよくわかんないし馴れ馴れしくって先輩って言う割りにこんなもんかなって思ってましたけど」
ほ「ちょ、そこまで思われてたの!?」
勇「でも、先輩は先輩だな、って思いました」
ほ「それって、一応最終的には認めて貰えたってことカネ?」
勇「はい」
ほ「・・・いやァ、秋菊サン、後輩ってのも悪かないもんダネ」
秋「ほると、顔真っ赤ですよ」
ほ「なんか、うん、まァ」
秋「べ、別に嫉妬なんかしてませんからね!悔しくなんか無いんですから!」
鵬「あのー、すんません・・・本人既に逃げてるんすけど」
秋「・・・やっぱり私、後輩とうまくやっていける気がしないんですけど(ギリぃっ」
ほ「まァ、秋菊サンも頑張りなヨ」
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あまりお正月感ないですね。書いてる人間が基本的に寝正月だから仕方がないんだ、きっと。
それにしてもデレた六界ってなんか気持ち悪いな、と書きながら思った。
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